ベトナムの中秋節を知っていますか?
中秋節は、ベトナム語で「テット・チュン・トゥー(Tết Trung thu)」と呼ばれ、旧暦8月15日に毎年行われるお月見の風習です。
中秋節は、紀元前770年〜221年頃に中国から起源したと言われています。
日本や中国と同様、水稲文化の国であるベトナムでは、月を神さまとして崇めています。
旧暦8月は農家の収穫時期に当たることから、収穫後の一休みとして家族でゆっくり過ごす習慣が生まれました。
その時期になると、月にお供えした後に、満月の光の下で収穫した作物から作られた料理を囲みながら宴会を行うようになりました。
子供たちは魚や蝶々などを紙で作って遊び、夜には灯篭や太鼓を持って村を歩き回って過ごしたと言われています。
中秋節になると、大人と子供が灯篭を持ちながら、行列を作って村や街を歩き回る習慣があります。
日本では満月の影はウサギが餅をついているように見えますが、ベトナムではクオイという名の男性が主人公の昔話をもとに、月には「クオイがガジュマルの木の下に座っている」と言われています。
獅子舞いも中秋節の見どころの1つ。
一般的に男性2人がそれぞれ獅子頭と胴体に分かれて被り物を被り、獅子の動きを表しながら踊ります。
獅子舞は、幽霊や悪いものを祓い幸運をもたらすと信じられており、中秋節には外せない催しです。
ベトナムでは中秋節になると、伝統的な食べ物「月餅(バイン・チュン・トゥ:Bánh Trung Thu)」を食べる習慣があります。
「月餅」といっても、日本人がイメージするようなお餅のお菓子ではなく、小麦粉で作ったアジアン・ケーキのようなものです。
中身は緑豆の餡や塩漬けしたうずらの卵、豚肉などが一般的。
最近では、カフェやファストフード店などでも販売されるようになり、健康志向向けの月餅や月餅プリンなど様々な種類が売られているので、伝統的な月餅だけに限らず、色々と試してみるのもいいかもしれません。